親しみやすさ:すぐに友達ができる人がいるのはなぜか?
ひと晩で初対面の人と友達になる人もいれば、距離を保つ人もいます。親しみやすさのファセットの意味、研究からわかること、そして測り方を紹介します。
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新しい職場で働き始めました。金曜日には、新しい同僚の一人がもう全員の名前を覚え、部署の半分の人とランチをし、誕生日パーティーにまで招かれています。
一方のあなたは、廊下であいさつを交わしたくらいです。職場の人たちのことは嫌いではありません。ただ、まだ誰とも本当には打ち解けていないのです。
ほとんど苦労せずに初対面の人を友達にしてしまう人がいる一方で、何か月も礼儀正しい距離を保つ人がいるのはなぜでしょうか。
その答えの一部は、心理学者が親しみやすさと呼ぶものにあります。ビッグファイブ・モデルでは、親しみやすさは外向性の六つのファセットのひとつです。このファセットは、人にどれだけ温かく接するか、そして相手をどれだけ早く近くに受け入れるかを表します。
親しみやすさとはどういう意味か
日常の言葉では、「親しみやすい」は感じがよい、優しいといった意味で使われることがよくあります。性格心理学での意味はもっと狭く、人が好きだということを素直に表に出し、人と親しい絆を結ぶのを自然なことだと感じる傾向を指します。古い質問紙では、同じファセットは「温かさ(warmth)」と呼ばれることがよくあります。
スコアが高い人は、次のような点に思い当たることが多いでしょう。
- すぐに友達ができる。
- 会ったばかりの人でも、人といると安心できる。
- 誰かを好きだということを素直に表に出す。
- 新しく知り合った人を、比較的早く身近に受け入れる。
- 温かい、話しかけやすいと言われることが多い。
スコアが低いことは、冷たい、敵対的、不親切ということではありません。主に、よく知らない人には控えめで、親しくなるまでに時間がかかるということです。
大切なのはどれだけ感じがよいかではなく、どれだけ進んで人に手を差し伸べ、相手を受け入れるかです。好意のギャップ:人はあなたが思うよりあなたを好いている
私たちの多くが一歩引いてしまう理由のひとつは、自分が相手にどれだけ良い印象を与えているかを過小評価していることです。
一連の研究で、研究者は初対面の人同士に会話をしてもらい、その後で双方に、相手をどれだけ好きか、そして相手が自分をどれだけ好きだと思うかを尋ねました。人々は何度も、相手が自分をどれだけ好きで、一緒にいるのをどれだけ楽しんでいたかを過小評価していました。研究者はこれを「好意のギャップ(liking gap)」と名づけました。
このギャップは、実験室での初対面の人同士、寮のルームメイトと知り合っていく大学1年生、ワークショップで出会った大人の間で見られました。学生の場合、このギャップは数か月続きました。
好意のギャップは、親しみやすさが低いことと同じではありません。ほとんどの人に見られるものです。しかし、人との距離を保たせてしまう仕組みをよく表しています。相手はただ礼儀正しくしているだけだと思い込んでいると、次の一歩を踏み出しにくくなるのです。
友情に必要なのは相性ではなく時間
私たちはよく、友情を一瞬で生まれる相性のように語ります。研究によれば、むしろ時間の問題のようです。
コミュニケーション研究者の Jeffrey Hall は、最近引っ越した大人と、入学後9週間の大学1年生に、新しい知り合いとどれだけの時間を過ごしたかを尋ねました。一緒に過ごす時間が長いほど、友情は親密になっていきました。並んで仕事をする時間よりも、一緒にぶらぶらしたり何かをしたりする余暇の時間のほうが重要でした。
大学による研究の要約によれば、知り合いから気軽な友達になるにはおよそ50時間、友達になるにはおよそ90時間、親友になるには200時間以上かかりました。
これは、親しみやすさがなぜ重要なのかを説明する助けになります。スコアの高い人は、お茶の誘いに応じ、人を誘い、ちょっとした会話を始めます。そうやって、友情に必要な時間をより早く積み重ねていくのです。
ちょっとした会話も大切
親しみやすさは、親しい友人だけに関わるものではありません。
日常の社会生活に関するある研究では、学生たちは、いつもより多くのクラスメートと話した日ほど、幸せを感じ、つながりの感覚も強くなっていました。日常のあらゆるやりとりを含めたその後の研究でも、同じパターンが見られました。社会生活の周辺にいる知り合いとの接触も、幸福感と結びついていたのです。
親しみやすさの高い人にとって、こうしたちょっとした瞬間は自然に訪れます。スコアの低い人にとっては少し努力がいるかもしれませんが、研究によれば、その価値はあります。
親しみやすさは協調性とは違う
これは大切な区別です。
協調性は、人をどう扱うか、つまり思いやりがあり、協力的で、人を信頼し、親切であることについてのものです。親しみやすさは、人とどれだけ早く、どれだけオープンにつながるかについてのものです。
とても優しく親切なのに、控えめで友達ができるまでに時間がかかる人もいます。逆に、温かく社交的ですぐに友達ができるのに、ずけずけ物を言ったり負けず嫌いだったりする人もいます。
興味深いことに、性格と友情に関する大規模なレビューによれば、友情がどう形づくられ、どう続くかに最も一貫した影響を与えていたのは協調性で、次が神経症傾向でした。外向性の影響は確かにあるものの、それほど一貫してはいませんでした。すぐに友達をつくることと、友達であり続けることは別なのです。
親しみやすさは群居性とも違います。群居性は、人混みやパーティーを楽しむことについてのものです。一対一の会話ではとても温かいのに、大勢の集まりは避けたいという人もいます。
スコアが高い・低いとはどういうことか
親しみやすさが高い
人に近づいたり、相手を好きだと示したりするのが得意です。新しく知り合った人は、あなたのそばで歓迎されていると感じることが多く、あなたは幅広い交友関係を築く傾向があります。
裏を返せば、よく知らないうちから人を近くに受け入れてしまったり、多くの関係に自分を分散させすぎたりすることがあります。
親しみやすさが低い
相手のことをよく知るまでは、ある程度の距離を保ちます。周りの人からは、最初は控えめだとか、打ち解けにくいと見られるかもしれません。
だからといって、あなたの友情が弱いわけではありません。スコアの低い人の多くは、数は少なくても深く長続きする関係を持っており、安定していて誠実なところを大切にされています。
どちらの説明も典型的な傾向を述べたもので、どんな場面にも当てはまる法則ではありません。
日常生活では
- 職場で:スコアの高い人は、チームをつなぐ接着剤のような存在になることが多いです。スコアの低い人は最初はよそよそしく見えるかもしれないので、同僚をランチに誘うなど、小さな意識的な行動が役に立ちます。
- 新しい土地に引っ越したとき:新しい人間関係を築くには、誰でも時間がかかります。スコアが低いなら、サークルや講座など定期的な集まりに参加すると、自分からすべての接触を始めなくても時間が積み重なっていきます。
- 恋愛・パートナー関係で:スコアが大きく異なるパートナーからは、初対面の人に対してオープンすぎる、あるいは閉じすぎていると見られるかもしれません。それを相手をどれだけ大切に思っているかの違いではなく、気質の違いとして話し合うと役に立ちます。
- ネットで:スコアの高い人は自分から連絡し、すぐに返信することが多いです。スコアの低い人は、幅広いネットワークより、少数の親しいやりとりを好むかもしれません。
親しみやすさは変わるのか
性格はかなり安定していますが、生涯を通じて変化しますし、影響を与えることもできます。
このテストのファセットのもとになった質問紙を用いて大人を対象に行われた大規模な長期研究では、温かさは成人期を通じて曲線を描き、スコアは60歳前後でピークに達しました。
人々を16週間追跡した二つの実験では、もっと外向的になりたい(あるいはビッグファイブのほかの特性を変えたい)と思っていた人は、自己評価でも日々の行動でも、その方向に変化する傾向がありました。「Xが起きたら、Yをする」というタイプの具体的な計画が役に立ったようです。
もっと気軽に友達をつくりたいなら、自分らしさを変えようとするより、小さな実践的なステップのほうがうまくいく傾向があります。
- 人は自分が思うより自分を好いてくれていると考える。おそらく実際にそうです。
- 毎週同じ講座やチームなど、繰り返しある気軽な接触の機会に「はい」と言う。
- 自然だと感じるより一回多く、たとえばお茶に誘うなど、自分から声をかける。
- 友情を築くのは完璧な会話ではなく、一緒に過ごす時間だと覚えておく。
よくある質問
親しみやすさが低いのは、無愛想だということ?
いいえ。スコアが低いということは、控えめで心を開くまでに時間がかかるということで、感じが悪いということではありません。スコアの低い人の多くは、知り合ってみれば優しく思いやりのある人です。
親しみやすく、しかも内向的であることはできる?
できます。外向性は六つのファセットからなっています。少人数の場では温かく打ち解けやすいのに、群居性や活動性のスコアは低いということもあります。
人は好きなのに、なかなか友達ができないのはなぜ?
理由はいろいろ考えられます。親しみやすさに関わるものもありますが、他人にどう評価されるかが気になって落ち着かないのは、別のファセットである自意識の問題です。引っ越し、忙しい仕事、小さな子どもなど、生活の事情も新しい友情に使える時間を限ります。
ビッグファイブ性格診断では親しみやすさをどう測っているのか?
このテストは IPIP-NEO-120 にもとづいており、各ファセットを四つの文で測定します。親しみやすさについては、「友達を作りやすい」「人が周りにいると安心できる」「人との接触を避ける」「人と距離を置く」という内容です。最後の二つは逆方向に採点されます。スコアは、あなたのすべてを表すものではなく、傾向のサインとして読んでください。
自分のスコアを確かめよう
親しみやすさは外向性の六つのファセットのひとつにすぎません。温かく打ち解けやすい人でも、人混みが嫌いだったり、ゆったりしたペースを好んだり、注目を浴びるのを避けたりすることがあります。
ビッグファイブ性格診断を受けて、30のファセットすべてを含む自分のプロフィール全体を確かめてみましょう。
参考文献
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- Hall, J. A. (2019). How many hours does it take to make a friend? Journal of Social and Personal Relationships, 36(4), 1278–1296.
- Sandstrom, G. M. & Dunn, E. W. (2014). Social interactions and well-being: The surprising power of weak ties. Personality and Social Psychology Bulletin, 40(7), 910–922.
- Harris, K. & Vazire, S. (2016). On friendship development and the Big Five personality traits. Social and Personality Psychology Compass, 10(11), 647–667.
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